以前BARRELさんの植物育成ライトの名前について神話の観点からブログを書きましたが、そろそろ真面目に解説しようと思います。
植物育成ライトは各メーカーがいろいろな種類を販売しており、メーカーを選ぶことはもちろん、どの商品が良いのかを選ぶのも難しいと思います。
今回は各社の代表的なモデルのスペックを比べてどんなところが良いのかを解説していきたいと思います。
なお、比較しているデータはメーカーのHPより入手しています。
品番などが若干現行と異なっている場合がありますが、数値の見方の参考にしてもらえればと思います。
今回は当店でも取り扱いのある3社の商品を比べましたので商品を選ぶ際の参考にしてください。
- BARREL(バレル)
言わずと知れた育成ライトのトップブランド
デザイン性が高く何といってもカッコいい
塊根植物をしている人の憧れといえる。
バレルの代名詞とも言える
アマテラス、ツクヨミ、スサノオは日本神話の3兄弟の名前。
このネーミングセンスは脱帽
- BRIM(ブリム)
PPFDという植物にとっての必要な明るさに着目し、リーズナブルながら高性能な育成ライトを提供している
PPFDの値は見間違えているのだろうかと言うくらいの高スペック
- PLANTS NEXlIGHT
日本を代表する研究機関の高島屋植物園と日本最大級の植物卸業者の 豊川温室が開発したライト。植物を知り尽くしたプロフェッショナルが作っているだけあって信頼度が高い
さて、さっそくスペックを見比べてみましょう
ブランド | BARREL | BARREL | Brim | Brim |
PLANTS NEXLIGHT |
商品名 |
Neo amaterasu 20W |
tsukuyomi 20W |
SOL 24W 5800K |
COSMO 22W-BK |
PAR30 |
①消費電力 | 20W | 20W | 24W | 22W | 10.5W |
②照度 (距離40cm) |
18050 | 21690 | 43500 | 65400 | 16700 |
③PPFD (µmol/m2s) |
406 | 507 | 700 | 1064 | 275 |
④演色性 | Ra96 | Ra97 | Ra97 | Ra97 | - |
⑤照射角度 | - | - | 50° | 120° | 25° |
⑥色温度 | 5900K | 4000~5000K | 5800K | 5800K | - |
⑦光束 | 2098 lm | 2098 lm | 2400 lm | 1730 lm | - |
定格寿命 | 30000h | 20000h |
30000h |
30000h | 30000h |
重量 | 398g | 398g | 298g | 297g | 267g |
定価 (税込) 2024年 |
13600円 | 13600円 | 3980円 | 4935円 | 8800円 |
集光レンズ付き |
①消費電力
植物が効率よく利用できる波長(青・赤)を優先して電力を割り振っているPLANTS NEXLIGHTが省エネという点では優れていると言えるでしょう。
他社は主力商品である20Wの商品を比べていますので消費電力は同じです。
②照度
各社40cmの距離の値を出しています。
照度とは単位面積当たりの光の量なので、本来同じ面積で比べなければ意味が無いのですが、育成ライトはそれぞれ照射角度が違うのでBrimのCOSMOの値が高いのはその影響もあるのかもしれません。それにしてもBrimの値の高さが目立ちます。
PLANTS NEXLIGHTは10.5Wにしては高い照度です。
③PPFD
簡単に言えば植物が感じる光の量です。照度などは人間の感覚で明るさを比べるのに使いますが、育成ライトは植物に使うので、植物にとっての明るさが大事です。
この値が高いほうがより光合成をしてくれるのですが、高すぎると葉焼けなどを起こす場合があります。
PLANTS NEXLIGHTは実は観葉植物用の育成に合わせたライトであるため、それほどPPFDの値は高くありません。
対してBARRELやBRIMは多肉植物や塊根植物用の育成ライトなのでPPFDの値が高くなっています。
日に当てた方がいいからと屋外の直射日光に植物を当てたら枯れてしまったという方は多いでしょう。植物に合わせたライトを使用することが大切です。
④演色性
100に近い方が自然に見た色に近い光と言えます。
PLANTS NEXLIGHTの値は公開されていませんでしたが、使用した様子を見ると3社の値は同程度と考えてよいと思います。
演色性が70とかですとずいぶん色が違く感じると思いますが、数ポイントの差ではほぼわかりません。
⑤照射角度
BARRELの商品には照射角度は公開されていませんでした。
しかし、他のメーカーのライトよりも広い範囲を照らしてくれます。
感覚では100°くら(BARRELさん、このあたりぜひ数値化してもらいたいです)
ですので、複数の植物を照らしてくれるので植物の種類、大きさ、数によってはBARRELの方がいいかもしれません。
⑥色温度
これは各社ほぼ同じです。PLANTS NEXLIGHTはHPに乗っていませんでしたが5000Kくらいであるとのこと。
これは各メーカーで赤みの強い商品をラインナップしているので、好みによって選んでください。
色温度は低い方が赤みがかります。高いと青い光になります。
⑦光束
いわゆるルーメンってやつです。
ほぼ同じなので特に触れませんが1000以上になると直視すると結構眩しいです(すごく主観ですみません)
まとめ
・植物育成ライトはいろいろなメーカーがあり、それぞれ特徴があります。
塊根植物向けなのか、観葉植物向けなのかなどの違いがあります。
・自分の育てたい植物は光がすごく好きなのか、真上から当てた方がいいのか、少し離れたところから当てた方がいいのかを判断し、設置環境も含めてライトを選ぶ。
肥料も土もそうですが、育成ライトもこれがあれば大丈夫!というものは一概には言えません。
生き物が相手なので、愛情を持って植物の声に耳を傾けながら育てていくことが大切だと思います。