前回は私の鉄のフライパンコレクションをご紹介しました。
この他にも銅の玉子焼き器、アルマイトの鍋などもあるのですが、それはまたの機会に・・・
さて、これだけの鉄のフライパンを使ってきたので、それなりにどれがいいのかを話すことはできると自負しています。今回はどのフライパンがどんな風にいいのかを熱く語りたいと思います。
●鉄のフライパンの種類について
大きく分けて2種類あります。
①鉄の板をプレスしたもの
一般的に鉄のフライパンというと、これを想像する人が多いです。
中華料理屋さんの北京鍋のようなつるんとしたものです。
(鉄のフライパンにしては)軽く、日常の料理にギリギリ使える重さ
鋳物のフライパンよりも早く冷えるので、高温で短時間で料理して作ったものをすぐ皿に盛りつける使い方に向きます。
※適した料理
卵料理、野菜炒め、焼きそば、チャーハン、焼き魚、餃子、皮目をパリッと仕上げたいチキンステーキなど
取手を溶接したモノや、一体型のモノ、熱くないように持ち手が木のものなどいろいろな種類があるので、好きなものを選んでください。鉄の取手でもそれほど熱くて持てなくなる時はそれほどありません。
②溶かした鉄を型に流し込んだ鋳物

長い時間熱を加える料理、温かいものを温かいまま提供することに向いています。
※適した料理
煮込みハンバーグ、揚げ焼き、パンケーキ、リゾット、グラタン、オーブン料理、アヒージョなど
製造方法からどうしても厚く、重くなります。
「魔法のフライパン」という鋳物でありながら1.6㎜という薄く作る卓越した技術で人気になった鋳物フライパンもありますが、だったら1.6mmの鉄の板でプレスしたフライパンと同じなのでは?と思います。
職人さんの技術や苦労を一蹴してしまい申し訳ありません。
もちろん鋳物の方が鋳物の細かい表面の穴が油に馴染んでどうとかあるのは知っていますが、それを感じられるほど私に調理技術はなく、舌も繊細ではありません。
鋳物のフライパンをスキレットと言うこともありますが、これは取手が短いのでフライパンのように使うのは難しいです。一度コンロで焼き目を付けて、オーブンに入れて調理をするような分厚いポークソテーなどに向きます。
日常の料理に使いたいならスキレットではなく、取手の長い鋳物のフライパンを選ばないと熱くて使いにくいです。ただ、その分重くなります。
ルクルーゼは鋳物の鍋ですが、フランス料理には長時間煮込む料理やスープが多いので鋳物の鍋は適した調理器具と言えるでしょう。

結局どれがいいか
さて、どうでしょうか。
私はこの違いを見れば、一つ日常使いで買うのであれば鉄のプレスのフライパンだと思います。それは鋳物のフライパンはやはりそれなりに厚く蓄熱性を持ってもらいたいし、そうなると必然的に重くなるので鋳物のフライパンは重いと日常使いは難しいのです。
そうそう、大事なことを言い忘れていました。
鉄のフライパンは一般的に言って女性には重く不評です。男だから女だからとか言いにくい御時世ですが、これは避けられない事実でしかたありません。
ですので鉄のフライパンを買う場合は、「あなた(男性と断定します)が使うとしたらどれがいいか」を前提に考えてください。
これくらいの大きさじゃないと家族全員の料理作れないからと28cmのフライパンを買うと奥様に「誰がこんな重いの使うの!」となってしまいますのでご注意を。