焚き火台 YOPICARI 開発ストーリー

焚き火台 YOPICARI 開発ストーリー

当社は鋼材の販売も行っており、ただ鋼材を売るのではなく、
何か付加価値を付けて売りたいと考えた時の一つの案が「焚き火台」であった。

「よし!作ってみる!」と意気揚々と図面を書いた当社社員のK氏。出来上がってきたのがこの焚き火台。

写真では分からないが、ものすごく重い。
空気穴に指を突っ込んで運ぼうとすると指がちぎれるくらい。
常設の炊事場用ですか?と言いたくなるくらいの大きさと重さでした。
キャンプをしないK氏曰く、薪がすっぽり入るサイズで作ったとの事。
すっぽり入っちゃったら薪が埋もれちゃうよ~

こんな風に鉄板も使えるんですとK氏。
空気穴が少なくてイマイチ燃えにくかったなぁ・・・
いや~懐かしい。

さすがに重いでしょという事でできたのが一回り小さくなった2号機。

無骨な感じを出したいと切り込みを入れて、
鉄筋を置いて鍋なども使えるようにしました。
この頃は「おお!これいいじゃん!」って思ったんでしょうね。
インスタにあげちゃってます。

 

 分かりにくいですが約半分のサイズになっています。
だから持ち運びはすこしやりやすくなりました。

ここまで見てきて分かったかもしれませんが、
K氏が重要視していたのは、デザインよりも堅牢さと熱による歪みでした。
2号機まで作り、試しに使ってみたところ、やはり頑丈で歪みも発生しないことが分かったので、ここからさらに肉抜きをして軽量化し、
デザイン性も上げていく事を考えていました。

今考えると順番がしっちゃかめっちゃかです。

私はデザインなんてやったことが無いですが、それでも
どうしたら軽くカッコいい形になるのか何案か書いていました。

 
私としてはプラン①~プラン④までの4つの脚の形を提案したつもりです。
一つの紙に2つもデザイン書くなよって言いたくなりますが、
どれがいいか聞いたところプラン①になったのですが、
どう間違ったか出来上がったのがこの3号機。
プラン①とプラン②が混ざってんじゃん!って思ったのですが、
なんだかよく見たらこの形カッコいい。
アシンメトリーのデザインの焚火台なんてなかなかありません。
こんな華奢そうなフォルムですが、大人が乗れるくらいの強度があります。

 

この時も感動して興奮してインスタあげちゃってます。

3号機からはかなりコンパクトになり、
この段階で分解するとA4サイズに収納できる大きさになっています。
もう最高のものが出来上がったと勝手に思っていました。

でも、急に見た目がスタイリッシュになったもんだから、
五徳代わりの鉄筋が、なんだか進学校にヤンキーが迷い込んだような
そんな違和感あるよねって話になりました。

 そこでサイドを刈り上げカットの優等生にしてみました。
うん、しっくりくる

あとはここのチョンと出た部分が先端恐怖症の私が気になったので
カットしてキレイに整えれば完成!!

床屋さんでカリアゲにした時に最後に耳の周りの毛をはさみで切られるときの冷たい感覚って分かりますかね?あれですよ、アレ。
チョキン! はい完成-!と思ったのですが、そんなに甘くはありませんでした。
実際に使ってみたところ、五徳を入れる部分のスリット幅が狭くて、
熱膨張で抜けなくなったのです。
それからはスリットの幅の調整が始まりました。
太すぎるとカタカタするし、狭すぎると熱膨張で抜けなくなるというどっちにも行けないジレンマに悩まされたのです。
こんなライトカッターの使い方は褒められたものではありませんが
最適なスリット幅と長さはどれくらいなのかを探して実験の日々。

実際に焚火をした時に膨張するので、その時でも使いやすいように
何本も五徳を作って実験しました。
猛暑日に何が楽しくて焚火をするのか、もう修行のような日々でした。

そうして何パターンもスリット幅や長さを変えて実験をし、
ようやく最適な形を見つけたのでした。
さて、ようやく完成!かと思ったら、新たに出てきた問題が!
最適な五徳の溝幅を見つけるために長時間使用していたのが幸か不幸か
生じた歪みです。
歪んでしまうと組み立てができなくなってしまう。
こんなものはお客様に販売できません。
ここにきて初めからやり直しかよ・・・と思ったのですが、
何とかこの問題も克服することができ、無事製品化することができたのです。
ジャジャーン!!できました! という開発ストーリー。
いや~長かった。

この焚き火台の名前であるYOPICARI(ヨピカリ)という名前は山形弁で夜更かしという意味なのです。
思わず夜更かししてしまうようなチルタイムを過ごしてもらいたいという想いでつけたのですが、このブログを書いていたらまさにヨピカリしてしまいました。
キャンパーの皆さんは消灯時間を守ってくださいね。
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