2年前の私へ。CB缶タフ、ちゃんと勉強し直しました

2年前の私へ。CB缶タフ、ちゃんと勉強し直しました



2年前、私はこのコラムでSOTOの「CB缶タフ」を紹介しました。


CB缶の見た目なのに中身はOD缶。

CB缶用バーナーをOB缶バーナーのような性能にしてくれるド●ゴンボールのナメック星の最長老様のような反則級のパワーアップアイテム!と大騒ぎしたあげく、最後は

「だったら初めからOD缶用のシングルバーナーで良くないか??誰か私の疑問に答えてください」

で終わるという、なんとも投げっぱなしの記事でした。

あれから2年。
OSAKAYA OUTDOORのYouTubeでCB缶タフを紹介することになり、改めてメーカーサイトや開発者の方のインタビューを読み込んでみました。

すると…

2年前の私、けっこう間違ってました。すみません、、

今回はその答え合わせです。

●まずは中身のおさらい

普通のカセットボンベ(CB缶)の中身は、ほぼブタンです。
ブタンはマイナス0.5℃くらいで気化しなくなるので、冬の朝のように0℃近くなると、缶の中で液体のままじっとしてしまい、火が弱くなります。
冬に100円ライターが付かなくて、手で温めた経験がある人。あれと同じです。

SOTOのCB缶タフの中身は、ノルマルブタン、イソブタン、プロパンの3種類が混じったものです。

・ノルマルブタン 約-0.5℃
・イソブタン 約-12℃
・プロパン 約-42℃

(これくらいの温度まで気化できます)

この組み合わせって実はSOTOのOD缶と同じなんです。
メーカーいわく、レギュレーター付きの器具と組み合わせれば、マイナス5℃でも火力が落ちにくいというすごいガス(※ボンベが満タンの時)。
※満タンの時ってのがキモで、満タンであれば、沸点の低いプロパンがたくさん入っているから。後半はノルマルブタンが残るので、OD缶でも寒い場所では火がつかなくなることもあります。

見た目は子供、頭脳は大人。
……じゃなくて、見た目はCB缶、中身はOD缶。

どこかの名探偵みたいなガス缶です。

さて、ここからが2年前の私が知らなかった話です。

その1  缶そのものが別物

2年前の記事で私はこう書きました。

「CB缶に寒くても気化するプロパンなどのガスを入れればいいじゃないかと思いますが、プロパンを入れると圧力が高くなってしまいます」

ここまではよかった。
じゃあSOTOさんはどうやったのかというと、缶を作り直していました。

継ぎ目のところが「ネックイン構造」といって、2枚の金属を一緒に巻き込んで加工してあり、金属も少し厚い。
缶本体の重さで比べると、普通のカセットボンベより10gくらい重いそうです。
でもOD缶よりは軽い。
CB缶タフ220とOD缶250で、ガスを抜いた缶の重さを計算してみると、

・CB缶タフ220 約114g
・OD缶250 約155g

40gくらいCB缶タフの方が軽いのです。

左が普通のCB缶で右がCB缶タフです。ちょっとゴツイ巻き込みですね。

その2  キャップが地味にすごい

正直、一番「おっ」と思ったのはここです。キャップ。

普通のカセットボンベのキャップは1cmくらい出っ張っていて、ザックの中で外れやすい。
外れたところでガスの出口が何かに押されると、ガスが噴き出すこともあります。

CB缶タフのキャップは平たい「シェルキャップ」。
横から押されても外れにくいうえに、使っている間は缶の底にカチッと付けておけるのです。

キャップをなくす人、手を挙げてください。
はい、私です。

その3  どのバーナーでも使えるわけではない

ここが一番大事で、2年前の私が一番間違っていたところです。

2年前の記事で私は
「今までのCB缶用のシングルバーナーが全部一斉にOD缶級にパワーアップする反則級の商品です」
と書きました。

ごめんなさい。全部ではありません。

圧力の高いガスなので、SOTOがバーナーごとに試験をして、合格したものだけが「使っていい器具」として載っています。
発売された2024年の春は、なんとトライトレイル(ST-350)専用でした。

今(2026年10月)、メーカーサイトに載っているのは

・レギュレーターストーブ TriTrail ST-350
・レギュレーターストーブ ST-310
・G-ストーブ ST-320
・レギュレーターランタン ST-261

の4つ。見た目がそっくりなST-340は、今はまだ載っていません。

最長老様は、選ばれた戦士しかパワーアップしてくれなかったのです。
まぁ・・・ぶっちゃけ使えるんですけど、最長老様非公認でパワーアップしているから、どうなっても知らないからねーという状態です。良い子のみんなはやめましょうね。

ちなみに、配管工用のネジ付きガス缶にOD缶用のストーブをネジネジして「ありなんじゃない?」とはしゃいでいた私が言うのもなんですが、
ガスとバーナーは、メーカーが指定した組み合わせで使ってください。これが安全の基本です。
(あの時の私にも言っておきます)


で、「初めからOD缶用でいいんじゃない?」の答え

2年前の私の疑問に、今の私が答えます。

まず値段。
メーカー希望小売価格でガス1gあたりを計算してみると、

・普通のカセットボンベ(SOTO パワーガス)約1.5円
・CB缶タフ220 約2.5円
・OD缶250 約3.8円

CB缶タフはOD缶の3分の2くらいです。

そして、開発者の方のインタビューを読んで、なるほどと思ったのが
「カセットボンベは日本中どこでも手に入る」
という話。

夏は、コンビニやスーパーで買える普通のカセットボンベ。
冬や山は、CB缶タフ。
バーナーは1台のまま、ガスだけ季節で使い分ける。

つまり、OD缶用のバーナーとCB缶用のバーナーを2台持たなくていいということです。

OD缶用のバーナーで冬も夏も…というやり方ももちろんありです。
でも、「普段は安いカセットボンベで済ませたい。でもたまに寒いところにも行く」という人には、CB缶タフはちょうどいい答えなんだと思います。

2年前にNOGAさんが言っていた
「CB缶ならコンビニで買えるからCB缶バーナーが好き」
の意味が、今になってやっと分かりました。

余談ですが

CB缶タフの缶に描かれた山のイラスト。
よーく見ると、稜線から小さい三角がちょこんと出ています。

これ、槍ヶ岳の穂先なんだそうです。
安曇野から見た北アルプスの景色で、手前の稜線は常念岳と横通岳とのこと。

お手元にCB缶タフがある方は、ぜひ探してみてください。
私はこれを知ってから、缶を見るたびに槍ヶ岳を探してしまいます。

 

教訓

・CB缶タフは、見た目はCB缶、中身と缶は登山用。
・使えるバーナーは決まっている。使う前にメーカーの適合製品を見る。
・キャップはなくさない(なくせない)。
・2年前の自分の記事は、たまに読み返そう。

さて、ここまで書いておいてなんですが、温かい時期にしかキャンプに行かない我が家。
CB缶タフの出番は、まだ来ていません。

・・・2年前と同じことを言っている気がします。

 

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